【時事英語に学ぶ】(その6)1月22日NY T国際版 共和党からのトランプへの挑戦?

こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。

 

次は、このNY T記事です。

 

A Republican challenge to Trump

(201901122 NYT International Edition P10[OPINION] by Bret Stevens)

 

 以前も取り上げたブレット・スティーブンス氏の論説記事。共和党穏健派であるメリーランド州知事のラリー・ホーガン氏を取り上げています。他の論説記事にもありますが、色々論理的に見せつつ、ドナルド・トランプ大統領への共和党からの造反を誘導するような論調が最近のNYT紙には散見されます。まあ、その心根の奥底は分かりませんが・・・

 ホーガン知事は、有権者の3分の2が民主党支持であるようないわゆる「ブルー州」で再選されるような共和党政治家です。ティーブンス氏は、最近のトランプ大統領の言動を受けて同大統領の当選に貢献した支持層での支持が落ちてきていることを踏まえて、ホーガン知事のような政治家が共和党大統領予備選に出ることを望んでいるわけです。歴史的に見て、現職大統領が予備選で敗れた例は19世紀半ばに遡らないと見つからないとしつつも、トランプ大統領が任期を全うしない可能性もあるとしつつ、ホーガン知事の背中を押す気満々です。

 

 

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(ホーガン知事)

 

 この記事ではまた、ホーガン知事が二期目の就任演説で、共和党連邦下院議員でニクソン大統領弾劾に早くから立ち上がった父親について言及したことにも触れています。同知事は元々トランプ大統領共和党の現状には不満を有していたということです。また、メリーランド州の状況や自分に投票した有権者を考えれば、割と自然なのかもしれません(執筆者は、「共和党の良心」故ジョン・マケイン連邦上院議員の元スピーチライターです。Wordsmithというのは割と気取った言い方ですね。)

 

 But mostly (Larry) Hogan (, the recently reelected centrist Republican governor of Maryland) makes no secret of his disdain for the president, though he goes out his way to avoid mentioning his name. In his second inaugural address this week (written with the help of Mark Salter, John McCain’s old wordsmith), he merely noted that his father, the late Congressman Lawrence Hogan, was “the first Republican to come out for the impeachment of President Richard Nixon.”

 “Despite tremendous political pressure,” Hogan said of his dad, “he put aside partisanship and answered the demands of his conscience to do what he thought was the right thing for the nation that he loved.”

 

(試訳)

 しかし、大体において、(最近再選された共和党中道派のラリー・)ホーガン(・メリーランド州知事)は大統領に対する軽蔑心を隠そうとしないが、大統領本人の名前を言及することは敢えて避けている。今週行なった知事第二期の就任演説(これは[故]ジョン・マケイン[連邦上院議員]のスピーチ職人であったマーク・サルターの助けを得て作成されたものである。)において、ホーガンは単に、自分の父親である故ローレンス・ホーガン連邦下院議員は「リチャード・ニクソン大統領の弾劾賛成を表明した最初の共和党員(議員)だった」と発言したのみである。

 「強大な政治的な圧力にも拘わらず、父は党派主義を排し、自分の愛する国にとって正しいと思うことをするのだという良心の求めるところに応えた」とホーガンは父親について語った。(試訳終わり)

 

 就任演説でこう述べたとしても、実際に大統領選挙に出馬するのは大変なことです。民主党大統領候補レースが大変な混戦であることに加え、共和党でもトランプ大統領に対抗する有力政治家が予備選に出馬するかはまだまだ不透明なのでしょう。