【時事英語に学ぶ】(その7)米国共和党連邦議員の苦難

 

 

こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。

 

As shutdown looms, lame ducks slip from House”

(20181218NYT P1 by Julie Hirschgeld Davis and Emily Cochrane)

 

 少し旧聞に属しますが、米国議会についてのNYT紙2018年12月18日記事。米国議会の共和党議員は苦労していますなあという記事です。

 

 ★記事の全文は掲載しません。また、記事へのリンクも行いません。ご興味のある方は個別に検索願います。

 

 昨年の米国中間選挙では、上院で与党共和党が多数を維持し、下院では野党民主党が多数を奪還したという結果に終わりました。その為、多くの共和党下院議員が議会を去ることになります。このようにレームダックになった前下院議員は早く次の道を追求したいですから、クリスマス近くなった時期に議会に戻って法案への投票などしたくないという人も多いようです。

 

 任期六年の上院議員と異なり、下院議員の任期は二年ということなので、ちゃんとした風とか今回の選挙のような「ブルー・ウェーブ」(いつのことからか知りませんが、青は民主党を表すのは最近ではよく知られていると思います。)に襲われると地盤の弱い議員はバサバサ落選するし、本来であれば安全だった議員も危うくなるという感じでしょうね。

 

 新たに当選した議員は共和・民主にかかわらず期待に胸膨らませて登院するわけですが、最初のころには立法活動にも熱心なのですが、任期の終わりには色々な摩擦の歳で擦り切れた状態になるのでしょう。このような米国の連邦議員一般の状況に加え、共和党議員には疲労を募らせるもう一つの要因があります。それは、トランプ大統領

 

There is a temper to the House, and it starts to get dark by the end of the year, said Michael Steel, a Republican strategist who was a top aide to the former Speaker John A. Boehner of Ohio. Members start out very, very eager to legislate, to make progress, to refresh from the holidays, and by the end of the year, there’s a great deal of friction and tension and just built-up frustration.

That dynamic is all the more potent for Republican leaders who have spent the last two years, with mixed success, to govern while skirting the unfiltered remarks and tweets of a president who cares little about the finer points of legislating, and whose agenda often diverges from their own. Now they find themselves trying to cope with the no-win situation Mr. Trump has created as he insists on building a wall supported by a majority of Americans.

 

(試訳)

下院には感情というものがあるのだが、それは、年の終わりまでには暗いものになる共和党系の政治ストラテジストでジョン・ボーナー下院議長(オハイオ州選出)の補佐官だったマイケル・スティールは述べる。「年の初めの議員たちは、立法をすること、物事を進展させること、休日から心機一転して仕事をすることについて、それはとても熱心である。しかし、一年の終わりまでには、大変な摩擦、緊張、そして蓄積された欲求不満がある。」

 

この動きはこの二年間、共和党の議会リーダーにとってはより強力なものであった。この二年間、彼らは、大統領のむき出しの発言ツィートを上手くかわしつつ統治することに半ば成功してきた。この大統領は、立法作業の微妙な部分について殆ど気に掛けることがなく、そのアジェンダは議会リーダーのそれとはしばしば方向性が異なるのである。現在、共和党議員リーダーは、大多数の米国人が支持するという(メキシコ国境の)壁建築に執心する大統領が作り出した誰も勝つことがない状況に対処するということになっている。(試訳終わり)

 

特異な仕事のスタイルを有するトランプ大統領に引きずられる共和党政治家の姿がありありと見えるような記事です。お気の毒と言わざるを得ません。トランプ大統領が弾劾に値するほどの行為をしていることが明らかになり、また、同大統領に代わって次の大統領選挙で民主党を破ることが見込まれるタマが出てこない限り、共和党議会リーダーは同大統領を支え続けるしかないということでしょう。

 

 

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だいぶ苦労してますね、マコーネルさん!

 

 

お寄り頂きありがとうございました!