【日本酒の世界に酔いしれる】(25杯目)新宿・荒木町の夜(その1)※長野と岩手の「水つながり」

    こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。

 

   連休中日の2019年2月10日は、新宿・荒木町を探訪しました。二軒の酒場を効率よく訪れ、何種類かの酒を呑みました。二回に分けてご紹介します。

 

   一軒目は「わや」という店でした。割と落ち着いた店で、荒木町には合っています。カウンターが無い店なので、混んでいる時には一人ではどうかなという感じもします。まあ、私は酒レビューアーなので落ち着いた雰囲気は歓迎ですが。

 

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   余り鶏肉の話はしなかったのですが、後で店内での案内を見ると、鹿児島の「地頭鶏」というもののようです。今回、酒に割と集中していましたので冷えてしまいました。しかし、店の売りでなんでしょうから、熱いうちに味わうのがいいんでしょうね。

 

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(上がもも肉で下が手羽先です。)

 

    全般的に言っていい店でした。私が入った部屋は四人テーブルが四つほどで、それなりにゆったりとしていますし、個室風に仕切ったスペースもありましたから、それ程周りを気にすることもないでしょう。

 

    さて、例によって「取り生」無しでいきなり酒です。

 

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    長野「明鏡止水  寒露の酒  純米」。この季節に特に取り寄せた酒ということで、メニューには「春より寝かせた酒は、からりとした良い味わいに仕上がっています。」とありました。半合頂きます。

 

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   少し色あり、香り高く、甘さとほんのり酸味があります。バランスの良い酒だと思います。

 

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   ツマミは、鶏を待つ間、付き出しの豆腐と漬け物です。

 

  漬け物はやや塩と糠が強めかと思いますが、酒の邪魔をするものでもありません。木綿豆腐は素朴な味わいです。

 

   ツマミを食しながら酒を呑み続けると、舌を酒の成分が叩き出します。恐らく、これがこの酒の本質でしょう。思うに、日本酒は一合あるいは半合を呑むうちに微妙な味の変遷を見せます。その短い間に成熟を感じるのです。

 

   二杯目は、岩手「水神  純米大辛口」です。「水つながり」です。

 

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  ほぼ完全な透明。香り無しかとも思われましたが、焦らすと香りだします。一口を転がしてみると、微かな酸味と共に舌を叩きます。細工せずに呑み下すと素直な酒に戻ります。

 

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   野趣が残る作りの鶏もも焼きを食べつつ呑むと、ややえぐ味が生じ始めます。これは、この短い生涯の中での成熟を意味するものでしょうか。

 

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    半合でも老いていく酒がある中で、この酒はそうではありません。岩手で様々な「水神」に会ってみたいものだと思いましたね。

 

   ご馳走さまでした!