【日本酒の世界に酔いしれる】(37盃目)囲炉裏端から出陣式!「日本酒原価酒蔵」五反田店

こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。

 

 さて、例の「日本酒原価酒蔵」。3月1日は五反田店です。今回、新規開拓です。しかし、実は毎回毎回違う酒がある訳ではありません。やはり、ベースになる五種類の酒は置きつつ、多少は店ごとの特徴を出そうとしています。それに、様々なタイミングで人気酒を出して集客をしようとしています。

 

    さて、今回3月1日は、別のところで席を共にした親友と呑みましたね。100ミリリットルの小瓶で少しずつ呑めるという利点を活かして、今日は唎酒の真似事でもしようかということになりました。上手く行くかしら。

 

   ということで、一杯目は広島「雨後の月純米大吟醸です。この酒は、以前、代田橋の「美し過ぎる立ち飲み屋」、「しゃけスタンド」でも呑み、大いに褒めました。今回、キチンと諸元も添付した小瓶でサーブ。

f:id:UpAndDown:20190304005856j:plain

 

原価での提供は大変嬉しいのはいつも同じですね。瓶は処分済みだったので、以前の画像を上げます。

 

f:id:UpAndDown:20190304010920j:plain

 

「雨後の月」は開栓してお猪口に注ぐや否や強く吟醸香が届きます。そして、口に含んでみると響きは極くしなやかなもので、実に呑みやすいです。私は、ラベルに示された蔵元の主張と酒の内容が合致していることを評価するのですが、この酒は正にそうです。友人は何らかの果実の香りだと言います。確かにそうかもしれません。しかし私は、ラベルからの連想で暑さを洗い流した驟雨の後の晴れ渡った夜に出た月を観ながら清談する為の酒という感じですかね。「美し過ぎる立ち飲み屋」で瓶から直注ぎされるのと、ともすれば化学品のように見えがちな「日本酒原価酒蔵」のやり方のどちらが良いかについては善悪あると思います。しかし、適切な保存方法を守れば雨後の月純米大吟醸がその美しい香りを顕してくれることはまず間違いないでしょう。

 

    二杯目は、宮城「栗駒山特別純米。これも、瓶は処分済みです。ササニシキを55パーセントまで削ったこの酒は甘い。ひたすらに甘いです。

f:id:UpAndDown:20190304011153j:plain

 

今後の酒に合わすのはチーズの盛り合わせです。これは、「日本酒原価酒蔵」各店の共通メニューですね。

 

f:id:UpAndDown:20190304011554j:plain

 

    この店では、「仕込み水」と普通の水がありますが、今回は前者を計1リットル。脱水症防止には水ですね。

 

f:id:UpAndDown:20190304011426j:plain

 

   三杯目は、福島「ZEロ万純米吟醸生酒。名前の由来は調べんとは思います。瓶は先日呑んだ時のものです。ひたすら甘い「栗駒山」と違い、香り、甘さ、酸味のバランスが良い優等生かなという感じです。

 

f:id:UpAndDown:20190304011706j:plain

 

 

f:id:UpAndDown:20190304011806j:plain

 

   四杯目は驚きの酒、岩手の生どぶろく民宿とおの」です。これもラベル付き一升瓶がないので、100ミリリットル瓶の写真です。この瓶に入っていると怪しい液体です。どろどろが半端ないですね。

f:id:UpAndDown:20190304011944j:plain

 

見た目は、飲むヨーグルトですかね。しかし、美味い。地の養分が身体に沁み込んでくる感じです。私は、どちらかと言うとどぶろくが苦手です。酒粕臭い甘酒と言いますか、単にだるいから清酒にしませんでした体のどぶろくしか呑んでこなかったからでしょうか。こんな仕儀ですから、この「民宿とおの」が昔ながらの製法でどぶろくを作っているのかどうか分かりません(ググれカス)。もしかしたら、現代に合う形でのどぶろく作りをしているのか分かりません(ググれカス)。

f:id:UpAndDown:20190304012107j:plain

 

しかし、確かなのはどぶろくですが甘ったるかったり、過度に酸味があるわけでもありません。そして、やはりネーミングに引っ張られているおそれありですが、雪深い里の家の囲炉裏端でゆっくりと三合くらい呑みたい酒ですね。あるいは、旅に持って行きたい酒です。それも、車中で呑む訳でなく、親しい人、誼を通じたい人に贈って共に味わいたい酒ですね。私は十年以上前、九州の椎葉神楽を見物に行ったことがあります。外部からの見学者は、お神楽が執り行われる民家や公民館にお酒を納めることが慣わしです。私は遠野出身ではありませんが、今度お神楽に行くことがあれば持って行きたいですね。そういう酒です。

 

   さて、最後の五杯目です。福岡「三井の寿純米吟醸大辛口を選択しました。

f:id:UpAndDown:20190304012240j:plain

 

結果として、締めの酒としては成功でした。前の「民宿とおの」のような複雑みがない直な酒です。香りは強くなく、その代わりに強い味が最初から攻めてきて、そのままです。

 

f:id:UpAndDown:20190304012527j:plain

 

とおの」は囲炉裏端の酒であり、来し方に思いを馳せるのを助ける酒、夜更の酒です。これに対して、「三井の寿」は塩を乗せた盃を勢い良く干して叩き割り、戦いに出る為に呑む昼から夕方までの酒ですね。出陣式や結婚式、あるいは、賑やかな祭を始める前に景気付けで呑みたい酒ですね。

f:id:UpAndDown:20190304012403j:plain

 

   今回も、日本の酒の多様性を感じる良い夜でした。   

 

次回予告】次は、多分、「東京水」です。生暖かく見守ってくださいね!

 

   お立ち寄り頂きありがとうございました!