【たった一人のビブリオバトル】「エッセンシャル思考」
こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。
今回は、クロネ師匠のブログで紹介されていました。「エッセンシャル思考」を一読しましたので、感想をアップします。
良くあるノウハウ本の一つであるとカテゴライズしても構わないと思います。重要なのは、カテゴライズやレッテル貼りではなく、いかに役に立つかということですから。当然ながら原書は英語で、恐らくはある程度大部だったんではないかと思いますが、訳語がこなれており、頭に入りやすいですね。
この本では、「エッセンシャル思考」と「非エッセンシャル思考」が繰り返し並列しています。では、「エッセンシャル思考」とは何かと問われたら、その一面は、人生の「目的」を達成するために、無駄を排するための生きるための思考・技術です。
このような本が必要なのは、現代社会では有能であるにせよ、必ずしもそれほど有能でないにせよ、自分で選択せずに無駄なことをすることを強いられているからです。いつの間にか、我々は適切に「選択する自由」を奪われてしまっているのです。
米国の企業社会も日本と同様、ある意味では日本以上にワーカホリックです。この本ではある「パラドックス」が語られているのですが、ある企業に有能な人材がいるとします。この人は、正しい道を進んで大いに成果を挙げているとします。すると、その上司も同僚も部下もその人を頼みにして色々な仕事を依頼してくるし、更には社交にも誘ってくる。有能で社交性もあるからして、そのような依頼などを受け入れていると、身動きが取れなくなってしまいます。
このような「パラドックス」に陥るのを防ぐためには、「断る力」が必要です。また、多くの無駄が存在するネットにからめとられないためには、敢えてネットに触れない時間を作る、孤独に耐えて読書や思索をする時間と場所を確保することが必要っだと筆者は説きます。この本では、「七つの習慣」のスティーブン・コヴィーが娘との約束を守るために仕事の依頼を断るというエピソードが語られていますが、自分の人生の「本質」を守るためには勇気を出して断ることが重要だと説きます。
- 作者: スティーブン・R・コヴィー,フランクリン・コヴィー・ジャパン
- 出版社/メーカー: キングベアー出版
- 発売日: 2013/08/30
- メディア: ハードカバー
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この本の中で、家に四つのガス台があるとしてその内の一つを消すことがベターであればそれをためらうべきではないという記述があります。そして、3つよりも2つの方がベターかもしれないというのが更に筆者が説くところです。この本で繰り返し説かれれるのは、「無秩序な拡大」は機能しない、「真の目的」(そして、それは刺激的かつ具体的でなくてはなりません)を意識して、より少ないことをよりよく行うことです。その一つの例として、「すきやばし次郎」の小野さんについて描いた「二郎は鮨の夢を見る」が言及されているのは日本人としては興味深いことです。
雑然とした文になりました。中々良い本です。今後、補足するかもしれませんが、取り敢えずのご紹介です。