英語学習についての一考察(ジクソーパズル論)

 読者の皆様、こんにちは(こんばんわ)。財布を気にしないで好きな本を読み、美味い酒を飲み、社会に貢献するために投資での成功を目指しているUpAndDownです。

 今回は英語学習について述べます。あ、ちなみに、この本はそれなりにお勧めです。 

英単語の語源図鑑

英単語の語源図鑑

 

 1.生粋の英語話者でない人間が感じる英語学習の苦しさ

 (1)英語は勉強しないといけない。一旦そういう気持ちになると割と居てもた立ってもいられない人は多いと思います。私の周りにもいます。ネットでも電車に乗っていても、英語教育熱は煽られていますしね・・・・実際、日本語で二次情報を取るのではなくて、英語情報にアクセスできればお得でしょうし、収入アップにもつながるかも!

(2)私などは、いやいやそうじゃない。英語ができないでノーベル賞を取る人もいるじゃないですか。むしろ、母国語である日本語で思考することによって自分の価値を高め、その価値を求めて外国人が来るようにした方がいいじゃないんですか。外国語での発信は、通訳・翻訳を含めてプロに任せればいいと知り合いに言ったりします。

(3)しかし、この言い方は往々にして嫌がられます。私は一応は英語使いであり、このブログでも時事英語についての記事を書いているので、上から目線と言われるのでしょう。それに、ビジネスや生活の様々な局面で、英語話者に対して英語で話すのは人間関係作りの観点から有益だとも言えます(私も、非英語話者については、挨拶程度のフレーズを覚えるようにします。)。  

upanddown.hatenablog.jp

 (4)私にしても、生まれながらの英語話者ではありません。英語を勉強し始めたのは小学校6年生からで、その後の職業生活を通じて継続的に英語を習得してきたものです。現在でも、日本語の本と同様のスピードで英語の本を読むのは一苦労ですし、知らない言葉は山ほどあるということです(酒を多少は控えて日本語の本ももっと読むべきなんですけどねえ・・・)。それに、自分の仕事分野に近い話でも、生来の英語話者がお互い遠慮無しの速度で話をしているのを理解するのは一苦労です。 

 

2.英語学習をする際の気構え~すべての学習に通じるもの~

(1)外国語を勉強するというのは、有限の命を有する人間が神様の作った無限のジグソーパズルを完成させようというようなものです(実は、いかなる学習も同様かと思いますが。)。特に、日本人にとっては、異なった音節や異なった文化的背景があるので、このパズルは正に広大無辺です。石井米雄という語学の達者(神田外国語大学学長)がいたのですが、同氏も、英語を勉強するのはざるで水をすくうようなものだと述べていたそうです(解決策として同氏が提示したのは語源を勉強することであり、これは、森鴎外も実践していた外国語の勉強法です。)。 

語源の楽しみ

語源の楽しみ

  • 作者:石井 米雄
  • 出版社/メーカー: めこん
  • 発売日: 2012/01/01
  • メディア: 単行本
 

  ↑この本は、お勧めです。ただし、英検準2級かTOEIC600点くらいの方に最も効果が高いでしょう。 

 

(2)完成することがないジグソー・パズルってどのような美しさなんでしょうかね。日本語で言ってみれば、「広辞苑」に載っている言葉を全て理解して駆使し、更に新しい言葉を生み出す境地って、どのようなものなんでしょうね。それは美しいものでしょう。完成形を考えてみると、いや、自分より多少は進歩しているような人の状況を見ても心が折れてしまいそうですよね。私たちが住んでいるこの社会には、能力差や成績の差を見せつけるものは山ほどありますし・・・

(3)この中で私たちがジクソー・パズルを続けていくには、私たちの不完全なパズル自体を美しいものとみなさなければなりません。また、一つ一つのピースをはめ込んでいること自体を楽しまねばなりません。人と違っていていいですし、それが当たり前なのです。人間だも・・・・の

 

3.ジクソー・パズルを少しでも進めるために

(1)英語学習についてお勧めするのは、ポッドキャストとオンラインの英英辞典を活用することです。その中で、自分が増やしていきやすい語彙を増やしていくことだと思います。

(2)現在の英語レベルにもよりますが、もし、TOEIC600点台/英検準2級程度であれば、BBCの英語学習ポッドキャストである「6 minute English」はお勧めです。

www.bbc.co.uk

 

BBCは、公共放送として、英国在住の学習者も視野に入れたポッドキャストを放送しているんでしょうね。もう少し英語能力がある方なら、BBCのニュース番組のポッドキャストを聴くとよいと思います。米国のメディアであれば、ウォールストリートジャーナルの What's newsは毎日2回更新されていますし、短時間ですからお勧めします。いこれらの時事的ポッドキャストは、その取り扱う内容が日本メディアの取り上げるものとほぼ同一ですから、理解が比較的たやすいのです。

 

www.wsj.com

(3)お好みのポッドキャストを選んだら、電車の中で基本的には聞き流しましょう。分かるところもあるし、分からないところもあるでしょう。ほっとけばいいのです。重要なニュースであれば、日本語メディアでも報じられるし、英語メディアでも繰り返し報道されます。そして、何回も何回も繰り返される言葉はすこしずつ輪郭が分かってきます。それでも、キーワードであるにもかかわらず意味が取れない言葉が出てきます。それをスマホ上の電子辞典(英英)が望ましいですが、英和でも構いません。私が取り敢えず推奨するのは、↓これです。もっと良い辞典があるかもしれませんが、色々考えていると時間の無駄です。 

www.merriam-webster.com

 

(3)最近の一例を申しましょう。私は最近、The Atlanticという米国雑誌のポッドキャストポッドキャストを聴いています。ちなみに、テーマ音楽は「♪丸るい緑は山手線、真ん中通るは中央線~」というヨドバシカメラのテーマですw 

www.theatlantic.com

 このポッドキャストの中で、米国大統領弾劾を話題にした対談がありました。その対談者の一人(政治家だったと思います)が、大統領の弾劾についての両親の発言について語った時に面白い表現がありました。曰く、「ニクソンが弾劾を受けそうになった際には、両親は『国民に嘘を吐いた段階でダメだ』と言っていた。しかし、同様に国民に嘘を吐いたクリントンについては、『クリントンは良い男だ。弾劾しようとするものは、クリントンをrailroadしようとしているんのだ。』と述べていた」。というくだりがありました。 railroadする?何だそれは?

 電車の中で上記辞書を調べてみると、

www.merriam-webster.com

 すると、一つ目の意味として、

1
to convict with undue haste and by means of false charges or insufficient evidence

 という意味がありました。これは、1829年には動詞としてのこの単語の意味に加わったようで、「不適当な性急さと虚偽の告発あるいは不十分な証拠によって、(誰かを)有罪とすること」ということでしょう。蒸気機関車が登場した時代の英国(米国?)では、徒歩や馬車で移動していた世代の人々にとっては、鉄道は速過ぎて性急過ぎるものの代名詞だったのかもしれませんね。「鉄道する」はその時代の「新語」でしょうが、現在でも生き残り理解されているということですね。

(4)「railroad」という動詞を日本人英語話者が会話や文章で巧く使えるかはともかくとして、視覚で理解できる単語は実は大変理解しやすく覚えやすいことが(当たり前のことなが)良くわかります。英語ジグソー・パズルを進めるためには、このように自分が簡単に理解できるピースを選ぶこともいいのかなと思います。

 

  ではでは。