【時事英語に学ぶ】米国ポンペオ国務長官の信仰と外交:NYT20190330「ニュース解説」

 こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。 時事英語からも学びます

  今回は、この記事を取り上げたいと思います。米国マイク・ポンペオ国務長官の信仰と外交について解説した記事です。他にも興味ある記事はあったのですが、ネット版で見あたらず、この記事にしたところです。

   "The Rapture and the Real World: Mike Pompeo Blends Beliefs and Policy"

 記事タイトル仮訳は、「宗教的恍惚と現実世界:マイク・ポンペオ国務長官による信仰と政策の混交」とでもしておきます。raptureというのが私には馴染みが余りない言葉です。

 

www.nytimes.com

 

 この人についての「ニュース解説」ですね。

 

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 ja.wikipedia.org

 

 人に注目して政治を見るのは重要なところか、基礎の基礎だろうと思います。実は、この記事以降に取り上げようとしている記事に、英国テレーザ・メイ首相の人間性について議論したロンドン・タイムズ記者のオピニオンがあります。今までの拙ブログ記事でも、同様の記事を取り上げました。

 

upanddown.hatenablog.jp

 

 

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 さて、エルサレム発のこの記事は、同地訪問中のホテルでキリスト教系の放送局からインタビューから始まります。インタビューアーは、「トランプ大統領エステルのようにイスラエルを救うか」との問いに「然り」と答えます。これは、記事タイトルと合致した描写で、キリスト教徒かキリスト教の基礎知識がある米国人には生き生きとして伝わる出だしなのでしょう。エステルというのは、旧約聖書の歴史書エステル書」に出てくる古代ユダヤ女性でペルシャ王の后となったユダヤ人を救ったというらしいのですが、その歴史的実在は証明されていません。ポンペオ国務長官は、「福音主義キリスト教徒」で聖書で書かれたことは歴史的事実であり、聖書での予言は実現すると考えているらしいので、このような質問にもまじめに答えるということなのでしょう。

         

  米国の二大政党の一つである共和党には「福音主義キリスト教」は大きな影響力を有しています。これは、民主党に対して過激な左翼主義者が大きな影響を有しているのと対照をなしているわけですが、ポンペオ氏までは国務長官がここまであからさまに宗教的信念を語ることはなかったと記者は述べます。確かに、それはそのような気がします。ユダヤ人・親イスラエル団体AIPACでは、第二次大戦中にユダヤ人を救ったキリスト教徒を顕彰しつつ、イスラエルが自衛する権利を擁護します。かと思うと、中絶を促進するような外国の団体への支援を制限しようとするなど、同氏が主導する米国の外交政策には、宗教的な信念が反映しているようです。

 

       Though Mr. Trump is secular, white evangelicals are a big part of his voter base, and some of his major foreign policy moves, planned or supported by Mr. Pompeo, are intended to shore up political support.

        The most notable examples involve Israel. When Mr. Trump moved the United States Embassy from Tel Aviv to Jerusalem, evangelicals applauded.

       Studies show that white evangelicals are much more likely than other Americans to believe that Israel fulfills a biblical prophecy. Known as Christian Zionists, they believe God promised the land to the Jews, and that the gathering of Jews in Israel is foretold in the prophecy of the rapture — the ascent of Christians into the kingdom of God.

  (仮訳1)

  トランプ大統領は世俗的人物である。しかし、白人の福音主義キリスト教徒は同氏の支持基盤の大きな部分を占める。そして、同氏の大きな外交政策上の動きの幾つかははポンペオ国務長官によって計画あるいは支持されたものであるが、政治的支持を強化することを意図したものである。.

        特筆される幾つかの例はイスラエルに関するものである。トランプ大統領は、イスラエルの米国大使館をテルアビブからエルサレムに移転したが、その際福音主義キリスト教徒は快哉を叫んだものだ。.

        幾つかの研究が示すところでは、白人の福音主義キリスト教徒は他のアメリカ人と比べて遥かに大きな割合でイスラエルが聖書上の予言を実現すると信じる傾向にある。キリスト教シオニストとして知られる彼ら白人福音主義キリスト教徒は、神が地をユダヤ人に約束したと信じ、また、イスラエルユダヤ人が集結することは、終末の日にキリスト教徒が神の国に挙げられるという予言の前に語られていると信じている。

                               (仮訳終わり)

 

 イスラエルとしては、このような国務長官が米国にいることは誠に嬉しいことだと思います。大使館移転に加え、もしかしたらヨルダン川西岸も完全にイスラエルのものにしてくれるかもと一部のイスラエル人は期待しているようです。仮にそこまで行かずとも、イスラエルの不倶戴天の敵であるイランへの強硬政策は続くことでしょう。

 

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  そして、このようなポンペオ/トランプ外交への我が国への影響はどうでしょうか。トランプ大統領は、イスラエルのベンジャミン・ネタニエフ首相との会談後にゴラン高原イスラエル領有権を認める文書に署名しました。これに対して、日本政府は国連の大勢と同様、これを否定せざるを得ませんでした。

www.mofa.go.jp

 

 

  色々考えされるところです。生煮えではありますが、取り敢えず考える材料をご提供というところで、時間も掛かりましたのでこの辺にいたします。

 お粗末様でした!