【時事英語に学ぶ】米国民主党の「統合失調症」

   こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。はい、時事英語からも学びます。

 

Opposition’s choice: Fight or heal?/The two U.S. senators running for president party with a philosophical choice 

(NYT International Edition 2019/02/14 by Alexander Burns

 

 一旦米国政治に戻ります。

 

    米中関係についてのオピニオンも読んでいるのですが、取り敢えず民主党の2020年大統領選挙についての記事です。

 

  「解説記事」と銘打たれているわけではないのですが、民主党の二人の大統領候補(正確に言えば、民主党大統領予備選挙への候補者)を取り上げて種々対比しており、中々示唆に富む記事です。

 

   この二人とは、コーリー・ブッカー連邦上院  議員(ニュージャージー州)とエリザベス・ウォーレン連邦上院議員マサチューセッツ州です。端的に言えば、ドナルド・トランプ大統領を打倒して民主党が政権を奪還するためには、前者の「癒し」のスタイルか後者の「闘い」のスタイルのどちらを基調にするのが適当かというのがこの記事の問いです。

 

 

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(コーリー・プッカー上院議員

 

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エリザベス・ウォーレン上院議員

 

 記事タイトルの仮訳は「野党の選択:闘いか、癒しか/大統領選に出馬した二人の連邦上院議員民主党に哲学的選択を提示する」(2019年NYT国際版6面)としておきます。

 

記事全文の貼り付けは行いません。また、記事へのリンク張りも行いません。ご興味がある方はNYTサイトにどうぞ。

 

 この記事では、2月13日?に中西部アイオワ州で相次いで遊説を行なったブッカー及びウォーレン両上院議員の遊説を題材にし、この遊説を聴いた同州の民主党関係者・支持者のコメントも得て、民主党大統領候補選びを展望しています。

 

    両上院議員の略歴はウィキに詳しいのですが、片や、アフリカ系黒人移民の両親(共に大企業幹部)で高校・大学フットボールの花形選手でスタンフォード大学からローズ奨学金を得て英国で学んだ後にニュージャージー州ニューアーク市長から連邦上院議員に当選したブッカー議員。

 

    片や、大学中退の専業主婦から法律を学び、ハーバード・ロースクールで教鞭を取り、倒産法の論文引用数では全米3位という権威。双方とも知的・社会的エリートであり、指導者たる資質を有していると言えます。「両親が黒人である男性」と「女性」ということで、どちらが大統領になっても「史上初」となります。そして、投票行動などから判断すれば、双方とも「リベラル派」と位置付けることが可能です。

 

ただ、2020年2月3日に全米に先駆けて大統領選候補選出の民主・共和両党党員集会が開催されるアイオワ州で見せたスタイルはほぼ正反対のものであったようです。

 

In the space of a weekend, the two Democrats mapped the philosophical and temperamental fork their party must navigate as it challenges President Trump. Down one path, Mr. Booker’s, lies a mission of healing and hope, with a campaign to bind up social wounds that have deepened in the Trump era. The other path, Ms. Warren’s, promises combat and more combat --- a crusade not just to defeat Mr. Trump but to demolish the architecture of his government. 

 

As much as any dispute over policy, this gulf defines the Democratic field, separating candidates of disparate backgrounds and ideologies into two loose groups: fighters and healers.

 

(試訳1)この週末、民主党の(上院議員)二人は同党の哲学的及び感情面での岐路を明示することになったトランプ大統領に挑戦しようとするなかで民主党は、この岐路をうまく選んでいかねばならない。ブッカー議員の道を行けば、癒しと希望に向けての使命がある。それは、トランプ時代に深まってしまった社会的な傷を縫い合わせることを目的にした選挙運動を伴うものである。もう一つはウォーレン議員の道であり、闘いまた闘いを約束するものである。これは、トランプ大統領を破るのみでなく、政府の構造を引き倒すための聖戦である。

 

  政策に対する議論と同程度に、(大統領選挙向けての)民主党陣営この隔たりが決定付けることになる。その中で、多様な背景と思想を有する候補者は、戦闘者と治癒者という緩い二つのグループに振り分けられることになろう。(試訳2)

 

 【英訳について:①この間某書店で立ち読みしたて言うか、買えよ・・・翻訳についての古い本(「  」)がありました。この中で、英文を和文に翻訳するなかでは、原文の勢いを活かすためにできる限り頭から訳する・必要に応じて文を分けるなどの記述がありました。今回、それを参考にして訳してみたつもりです。ただ、以前も述べたように和英辞典的に訳すのは絶対に不可であり、日本文化の文脈で分かるような訳にしなくてはなりません。これは、「右手で四角を書いて左手で丸を書く」ようなもので、苦労しますよね。mappedは「明示することになった」というありふれたものになりました。この辺をもっと巧く訳したいですねえ。field陣営訳しました。こういう簡単なような言葉が難しいです・・・・

 

このような問題意識は、民主党関係者・支持者の間でも共有されているようです。記者がアイオワ州でインタビューした元司法長官は、民主党全体がどこに向かうべきかについて「統合失調症」ではないかと感じていると述べます。をして、同氏個人としてもそうで、トランプ大統領に強く対抗する必要を認めつつも、米国統合の必要性も念頭に置いているというのです。そして、今後、ブッカー的あるいはウォーレン的メッセージが優位に立つか、それらのブレンドになるのか、自問しています。

 

    国全体にせよ、民主・共和各党にせよ、米国政治では「スペクトル」という概念が多用されます。社会問題について保守的か、中道か、革新的か。経済問題について保守的か、などなど。様々な選挙に臨む議員(候補)は、専門家からの助言も踏まえつつ自分をどこに位置付ければ良いのかを当然ながら考えるのでしょう。今回、このスペクトルの中に、「闘いか癒しか」が加わったということでしょう。

 

    Mr. Booker's rhetorical space has been less crowded so far, but several Democrats exploring the 2020 race have been employing similar themes. Joseph Biden Jr., the former vice president, and Michael Bloomberg, the former New York city mayor, have both extolled bipartisanship. Beto O’Rourke, the former Senate candidate from Texas, told Oprah Winfrey last week that he was preoccupied with uniting "a deeply divided country."  

 

  t is perhaps not an accident the most confident Democratic tribunes of good feeling are all men, while the party’s sternest warriors are mainly women. In a contest for the presidency, a position traditionally viewed in martial terms, it may be easier for a man of Mr. Biden’s backslapping swagger or Mr. Booker’s athletic stature to show tenderness or vulnerability without fear of appearing weak.

 

(試訳2)ブッカー上院議員のような表現方式をする候補のスペースは現在までのところ比較的混んでいない。しかし、2020年選挙への出馬を模索する民主党政治家の何人かは同様の話題を持ち出している。ジョー・バイデン前副大統領とマイケル・ブルンバーグ元ニューヨーク市長双方とも超党派主義を称揚している。ベト・オルーク元連邦上院議員候補(テキサス州)は先週、オプラ・ウィンフリーに対して、「深く分断された国家」の統合を気に掛けていると語った。

 

  民主党の中で最も自信をもって良い気分を発信するのがすべて男性であることはおそらく偶然ではない。一方で、同党の大変激しい戦士は主に女性である。伝統的に戦闘的な観点から見られる大統領を目指すにおいて、バイデン氏のように過剰かつ傲慢にも見える自信を備えた男性やブッカー氏のようなスポーツマンの体格を備えた男性にとって、弱い人間と見られるおそれなしに優しさや脆さを表すのはより容易なことかもしれない。(試訳2終わり)

 

  2月20日までの報道によると、バーニー・サンダース上院議員バーモント州)が大統領選出馬を表明したようです。同議員は無所属ですが民主党予備選挙で指名を争うということで、全国的は知名度は前回選挙でヒラリー・クリントン氏と指名を争ったことによって知名度を上げた進歩派(=左派)であって、小口献金で既に3億ドルを集めたということです。

 

    同上院議員がどのような選挙運動スタイルを取るか分かりませんが、仮に、ウォーレン上院議員のような戦闘的スタイルを取るということであれば、取り敢えず、ブッカー議員にとっての「スペース」は空いたままということになります。しかし、同議員にとっての問題は、トランプ大統領と匹敵する知名度を有するバイデン前副大統領が控えていることです。

 

  ブッカー議員とウォーレン議員の違いは、実のところ、その選挙運動スタイルのみではありません。

 

 Mr. Booker’s remarks projected the jauntoptimism of a marching band --- his announcement video featured one --- Ms. Warren’s echoed with cannon fire. In a hall at the Veterans Memorial Building in Cedar Rapids and during an afternoon rally at the University of Iowa, she drew roars of applause when pledging to “attack corruption head-on” and wrangle power from a set of named foes: drug companies, gun companies and the National Rifle Association.

 

All, Ms. Warren declared, should be tamed through legislation and regulation.

 

(試訳3)ブッカー上院議員の発言は、マーチング・バンドのような生き生きとし楽天主義を打ち出したものである。実際、同議員の出馬宣言ビデオにはバンドが登場する。これに対し、ウォーレン上院議員は発言は大砲の砲撃の響きのようである。退役軍人記念ビルのホールの中やアイオワ大学での午後の集会では同上院議員は聴衆からの賞賛の雄叫びを引き出した。この時上院議員は、汚職を真正面から攻撃する」ことと幾つかの敵から権力を強引に奪い取ることを約束したのである。名指しされて敵とは、製薬会社、銃器製造会社、全米ライフル協会(NRA)である。

 

ウォーレン上院議員は、これら全て(の敵)は立法と規制によって飼いならされるべきと高らかに述べる

(試訳3終わり)

 

ブッカー上院議員が他の民主党関係者に対して財政面での規律を重んじるように促したり、企業悪について選択的に批判するのに対して、ウォーレン上院議員は腐敗や企業悪を強力を攻撃してリベラル派の大きな賞賛を浴びます。ウォーレン議員は上院において、米国のメガバンク等に対する規制や罰則を強く主張するところもあり、銀行業界からは警戒されています。 「これら全て(の敵)は立法と規制によって飼いならされるべき」というのは、別記事で紹介した「11の国のアメリカ史」における「ヤンキーダム」マサチューセッツ州はすっぽりです)のエトスを反映したものと言えるかもしれません。

 

先ほど述べたように、アイオワ州党員集会(コーカス)での出来が大統領候補指名の帰趨に大きく影響します。必ずしもアイオワ州で1位となった候補が党の候補や大統領に自動的になるわけではありませんが、この州及び翌週のニューハンプシャー州予備選挙で振るわければ選挙資金が尽き、選挙戦から淘汰されます。

 

Both approaches have a rich history in Democratic politics, nationally in Iowa --- a state that has helped elevate conciliators like Jimmy Carter and Barak Obama to the presidency, while for decades sending prairie populists like Tom Harkin to Congress.

 

Mr. Booker shares a clear political lineage with Mr. Obama, who captured the Iowa caucuses in 2008, with a message of national unity. But the party has also shifted left since then and has grown more suspicious of Republicans who harried Mr. Obama and elected Mr. Trump.

 

(試訳4) (闘い及び和解)双方の手法とも、民主党の政治の中で全国的にもアイオワでも豊かな歴史がある。アイオワ州は、ジミー・カーターバラク・オバマといった和解派を大統領まで押し上げることに貢献した。かと思うと、トム・ハーキン氏のような中西部平原地帯のポピュリストを数十年にわたって連邦議会に送り込んだのである(注:ハーキン氏は、197年から8年まで下院議員、8年から2015年まで上院議員

 

ブッカー氏は明らかにオバマ大統領と政治的血統を同じくする。そして、オバマ氏は2008年のアイオワ民主党党員集会を制したが、それは国家連帯のメッセージをもってであった。しかし、それ以来民主党はより左寄りになった。そして、共和党に対してより疑い深くなったが、それは同党がオバマ氏大統領を執拗に攻撃してトランプ大統領を選出したからである。 (試訳4終わり)

 

長くなりました。世界の行く末に大きく影響する米国大統領選挙への長い戦いはまだまだ始まったばかりです。今後も注目していかなくてはなりません。

 

お立ち寄りいただき、ありがとうございました!

 

 

【ブログ運営報告】初心者ですが、累積PV1200・読者50人超!

    こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。ブログ運営報告いたします

 

    2月19日午後11時までに、累積PV1200読者50名超を達成いたしました!驚きです!誠に有難うございました!

 

   現在、①酒、②時事英語、③ブログ運営が三本柱になり、ローテーションの谷間を④「たった一人のビブリオバトル」が埋めています。それぞれが20勝投手となり、読者のみなさんのお役に立つ記事になれば幸いです。

 

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   作業環境に不備があるので、クロネ師匠の言われる「雑誌ブログ」にする為の方策(内部リンク設定など)は充分にできていませんが、おいおい…

 

    取り急ぎ、報告いたします!

 

    お立ち寄り頂きありがとうございました

 

 

   

 

   

【日本酒の世界に酔いしれる】(29盃目)上野「魚草」2月15日

   こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。

 

   さて、上野アメ横魚草」です。知る人ぞ知る(知らない人は知らない)立ち呑みの名店です。雪がチラチラの日に参りました。それでも客が絶えないのは、流石の名店です。

 

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   元気な店員さんと常連さんがいるのは、いつものことですね。今回、久々でしたし、ピンだったので常連さんのノリには付き合いませんでしたが、しっかり三合は頂きました。

   一杯目は、これ。中々まろやかで、バランスに富んでいます。

 

 

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   おつまみは、これ。なめろうです。

 

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   そして、やはり寒いのて、お燗ですね。豪快に、一升瓶で燗です。

 

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   付け合わせは、蒸し牡蠣です。

 

   ホントは、白子鍋がウリだったようなんですが。「魚草」には色々なイタズラ心のある落書きもあります。

 

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  三杯目は、これ。この喉ごし!浄らかさ!←個人の感想です。

 

 

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  何故ベストの酒は最後にあらわれるのか!

 

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  もう少し暖かくなったら、どんな酒を楽しめるでしょうか。

 

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   また来ます!ご馳走さまでした!

 

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    お立ち寄り頂きありがとうございます!

 

 

 

  

 

   

【日本酒の世界に酔いしれる】(28杯目)「日本酒原価酒造」渋谷並木橋店再訪 バレンタインデー(その1)

  こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。

 

   今回は、色々な酒を呑み過ぎた!です。2019年2月14日(バレンタインデーw)にこの店に再訪した記録です。今回も友人と一緒でした。マジに唎酒するなら、こういう呑み方はどうかと思いますが、これが性でして💦

 

   先になりますが、今回のベスト酒です。

 

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   酒を何種類か呑んでいますと、いつでも最後の方にベストの酒が出てくるのは、なんなんでしょう。今回も何回かに分けてレビューすることになると思いますが、いつかは本格的か唎酒会と蔵元訪問について報告したいですね💦(希望です……)

 

   さて、一杯目です。実は、前回の来店後にアンケートに答えたことから、一杯フリーでした。「フリー」という言葉に反応するするのは、アメリカでは「下流」としたものですが。

 

 

階級(クラス)―「平等社会」アメリカのタブー (光文社文庫)

階級(クラス)―「平等社会」アメリカのタブー (光文社文庫)

   それはそれとして、喜んでいただきますw
 
(だらだらと続きます。)
 
   
 

 

 

   

  

【たった一人のビブリオバトル】「11の国のアメリカ史」(その3)★日本語版への序文

   こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。

 

「11の国のアメリカ史」の「日本語版への序文」についての雑記です。

 

 

11の国のアメリカ史――分断と相克の400年(上)

11の国のアメリカ史――分断と相克の400年(上)

 

 

 

 1.日本語版への序文

   (1)本書が上梓されたのは2011年のことです。それから序文を書くまでの米国政治における最大の出来事は、ドナルド・トランプ氏が大統領に選出されたことです。2012年までの大統領選挙ついて筆者は、(筆者がこれから詳述する)米国内のネーション間、あるいはネーション連合間の争いであり、争いからどのような選挙戦や結果になるかは充分に予測できるといった意味のことを述べています筆者はいわゆる「レッド・ステート」(共和党支持多数の州。深南部など。)と「ブルー・ステート」(民主党支持多数の州。北東部等)を超えた米国内の郡を含む「ネーション」という概念で米国社会政治を捉えています今回、トランプ氏が共和党候補としては型破りな選挙綱領で戦った(=「自由放任主義社会民主主義という対立からすれば、ニクソン以来トランプは最も共同体主義的(コミュタリアン。引用者注:本書では傍点)な共和党候補者であった。」)ことから、筆者の分析では、その選挙綱領のお陰で「共同主義的な傾向」有するネーションでの得票を増やしたことがトランプ辛勝(一般投票数でヒラリー・クリントンに負けたものの、選挙人数で勝利)の一因だとしま。「トランプ革命」 については歴史の審判を待つ必要があると思いますし、ロシアからの「選挙介入」疑惑(ロシア政府と繋がりのあるロシア企業が米国のSNSに影響力を行使したのではないかという疑惑)もあります。2020年の大統領選でトランプ大統領陣営(順当に行けば、政権党の候補は現職大統領がなります。)民主党陣営がどのような選挙戦を戦うのか、その戦い振りを理解する一つの補助線として本書は有益だと思います。

   (2)筆者はこの序文をメイン州(の恐らくは自宅)で書いています。メイン州はいわゆる「ヤンキーダム」に属する州です(スッポリ入っています。)。仮に、筆者(及び筆者の祖先・家族)が同州に長く居住して馴染んでいるとすれば、筆者は「ヤンキーダム」の社会・政治的傾向に従う人物であるのでしょう。そうであれば、もし、ふらふらと2016年選挙でトランプ候補に投票したかもしれませんが、南部的な大統領であるアンドリュー・ジャクソンを敬愛するトランプ大統領には違和感を有することでしょう(なお、アンドリュー・ジャクソン云々は本書内の記述ではなく、ニューヨーク・タイムズ紙記事にあったものです。)。

(3)三たび和訳について(大事なことなので三回言います。)。原書を読まないと的確な批判はできないと思いますし、この大著を数年で訳された共訳者には敬意を表します。ただ、どうしても、日本語に現在存在していない概念を訳出する際ぎこちない訳になってしまいます。上記(1)で紹介したように、この「序文」で「共同体主義的」という訳語の横に「コミュタリアン」というルビを付けています。本書のような本を手に取る読者には英語及び/又は米国についてのある程度の知識があることを前提にすれば、本書の他の部分においても現在流通している日本語では違和感が多少なりともある新たな概念を訳出する際には同様のルビ付けを多めにすれば読者の理解を助けたのではないかと思います。繰り返しますが、勿論、訳者の皆様がこの有益な本を苦労して訳出されたことには心からの敬意を表します将来、この雑魚ブログ[笑]がもしかしたら本書関係者の目に触れる可能性があることを勘案しまして、改めて付言するものです。)。

 

   .  序章

この章では、筆者が「11のネーション」の概要を説明します。八割方なりとも上下巻を読了した後に再読すれ    ば、理解が深まることかと思います。

 

      続きます。

 

 

 

【時事英語に学ぶ】(その22)インドのヒンズー的選挙運動

   こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。そして新聞からも学びます

 

Chasing votes on the Ganges/Modidisplay of largesse at a mass pilgrimage comes just in time for elections (NYT International Edition 20190214 P1 by Jeffrey Gentleman and Hari Kumar)

 

たまにはアメリカから離れてみます(トランプの「ト」の字も出ません。)。インドですしかも純粋にインド国内政治です。

 

インドについての極く大まかな理解と言うと、まずは、「世界最大の民主主義国」。そして、「『世俗国家』であるものの、ヒンズー教徒が多数派でカーストが実質的に温存されている国」。「『開かれたインド太平洋構想』などの我が国の外交戦略上重要な国」といったところでしょうか。そして、この第三点があるからこそ、我々としてインドへの理解を深める必要があると考えています。

 

  独立後のインド史についてはきちんと勉強せねばなりませんが、独立に最も力を有していたのがインド国民会議(コングレス)であったことは周知の通りです。コングレスはデリーからインド全国に対して睨みを利かせてきましたが、1990年代を境にして地方が力をつけたことによってその力が衰え、現在のナレンドラ・モディ首相のインド国民党BJP)などが力を付けてきました。

 

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(モディ首相)

 

今回の記事は、名目はともかく現実的には「政教不分離」であるインドでBJPが如何に宗教行事を政治に利用しているかを描写しものです。タイトル仮訳は、「ガンジス川で集票活動/大規模な巡礼におけるモディ首相の大盤振る舞いは、丁度選挙のタイミング」くらいでしょうか。

 

タイトル仮訳は、「ガンジス川で票を求める/巡礼者の大群へのモディ首相の大盤振る舞い、ちょうど選挙の時期に行われる」くらいでしょうか。

 

 

 【英訳について。largesseは13世紀以来の単語であり、「目下の者への施し」ほどの意味です。largeと近しい感じで、「気前の良い」を含意しているようですね。display of largesseは最初、「施しの見せつけ」と訳していたのですが、それには「大盤振る舞い」が適訳だろうと思いました。単に慈善的に施すのではなく、人に見えるように施すのが「大盤振る舞い」でしょうからね。)

 

★記事の全文貼り付けはいたしません。また、記事へのリンク張りもいたしません。ご興味のある方は、NYTサイトまでどうぞ。

 

    ヒンズー教には様々な神々がおり、また、様々な宗教行事があります。この記事で取り上げられているには、Kumbh Melaというもので、ヒンズー教の創生神話にある「乳海攪拌」に関連するものだそうです。「乳海攪拌」の末にできたアムリタという霊薬が落ちたとされるインド国内の4箇所において(持ち回りで)12年毎にインド中のヒンズー教徒が沐浴をするというのがこの行事です。

 

  本来、2019年は前回から6年なので、この行事の年ではないのです。しかし、数年前にヒンズー教指導者の判断があって、12年を待たずに教義上の対話を続けるべしということで6年に一回、簡略的な方法でこの行事が出来るようになったようです。ですから今年の行事は、half Kumbh Melaと言うべきものですが、州首席大臣の決定によって事実上、フルの祭典となったというのがこの記事の述べるところです。

 

 今回この行事が現在行われているウッタル・プラディーシュ州のプラヤグラジでは、モディ首相と同州首席大臣ヨギ・アディティヤナート氏(BJP)はこの機会を事実上の選挙運動として利用しているということです。伝説の川含む三つの川が合流するガンジス川の特定の地点で数百万の巡礼者沐浴するのには大変な苦労を伴いますから、巡礼者への便宜は高く評価されます。記事に添付された写真には、巡礼者の横に立てられたモディ首相の等身大  のダミー(cutout)が載っています。なお、次の総選挙は4月または5月が予定されています。

 

 

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(アディティヤナート首席大臣

 

It is nearly impossible to take 20 steps along the pilgrimage route without passing a huge sign featuring Mr. Modi's face or the grinning visage of his close ally, Yogi Adityanath, the monk turned chief minister of this state, Uttar Pradesh. They aren't technically campaign ads, but billboard after billboard trumpets their accomplishment in all areas of life.

Here's Mr. Modi on a super-bright vivid screen talking about his Clean India campaign, the bluish glow lightening up countless pilgrims sleeping on the ground.  There's Mr. Adityanath grinning from the side of a water truck, welcoming visitors --- an estimated 35 million of them on Monday alone.

 

(試訳1)モディ首相の顔や同首相の盟友で元宗教者の(ウッタル・プラディーシュ)州首席大臣のヨギ・アディティヤナート氏の微笑みを通り過ぎずに巡礼者通路の20段を歩くのは、殆ど不可能だ。厳密には選挙運動用の広告ではないものの、立て看板に次ぐ立て看板は生活の全ての側面における両名の業績を高らかに知らしめている

こちらには「クリーン・インディア」運動について極めて明度が高く真に迫ったモディ首相がいる。(このスクリーンからの)青色の光が地べた寝る数え切れない巡礼者を照らし出している。あちらには、水運搬トラックの側面で微笑するアディティヤナート首席大臣(の顔)があって、この月曜日だけでも3500万人と見込まれる来訪者を歓迎している。(試訳1終わり)

 

【英訳について。①visageというのは(私にとって)案外難物です。二つの意味があり、まずは人間または動物の「表情」という意味が14世紀頃に現れ、その後、モノにも適用される擬人化が起こったようです。モディ首相のfaceと並べて多様な表現をするという意図があったのかとは思いますが、より多様な意味があるcountenanceよりもvisageを選んだのは、(恐らく)立て看板に描いてあるアディティヤナート首席大臣の顔が人間でもあり記号のようでもあるので、この語が適当ではないかと思ったのかもしれませんね。②technicallyは「技術的には」と訳すとピッタリきません。敢えて、「厳密には」と訳してみました「技術的には」と訳すと余りに和英辞典的です。通訳でこう訳したら聴いている方は「?」でしょう。)。③trumpetsは「高らかに知らしめている」と訳してみました。実際に音が出ているか分かりませんが(出てないんでしょうが)記者は「大仰な宣伝」だと言いたい為にこの語を選んだと推測してこのような訳にしてみました。④water truckは、「水運搬トラック」ですかね。飲料水それ以外の用途の水か分かりませんが、上水道が完備されていない開発途上国では高級住宅地にすら水がトラックで運搬されることが普通です。数百万人が来訪する巡礼地(単なる河畔です。)にまともな上水道があるはずもないですから、首席大臣の顔付きトラックが何百台も動員されたのでしょう。】

 

この記事には水運搬トラックの数は書いてありませんが、総額6億米ドルを費やして高速道路を箇所高架化し、22件の浮き橋を架け、道路を150マイル(約241キロメートル。アメリカ人いい加減〔以下略〕を拡張し、ゴミ箱を万個設置し、LEDライトを4万個供給し、122、550個のトイレを置き、新たに空港ターミナルを一つ増設したということです。インド関連の幾つかの記事にはモディ首相の経済運営が期待外れであること、45年間で最悪の労働統計を隠蔽したという疑惑があって「トラブル」に陥っているというのがこの記事の述べるところです。しかし、巡礼に当たって様々な便宜を図ってもらっている敬虔なヒンズー教徒達は不満がある筈もありません。規律正しいアディティヤナート首席大臣が整備したことで、今回の祭典は今までで最高といのが専らの評判のようです。

 

But at the Kumbh, almost everybody is Hindu and most seem perfectly happy benefitting from the statesponsorship of the religion, even as othercommunities suffer out of sight. For example, months ago, to ensure the Ganges was as clean as possible for the busloads, trainloads and masses of Hindus coming for their immersion, Mr. Adityanathwent after the tanneries along the Ganges upstreamfrom Prayagraj. 

The tannery business is dominated by India's muslim minority and lower-caste Hindus who do not subscribe to the same strict rules about cows that some conservative Hindus follow. But conservative Hindus are the B.J.P.'s base, and Mr.  Adityanathordered the tanneries closed for three months, the longest closing anyone can remember. 

 

(試訳2)しかし、クンブ祭礼では殆ど全員がヒンズー教徒であり、自分達の宗教に対する国家からの便宜から利益を得ることに対して完全に満足しているように見受けられる。これは見えないところで、自分達以外が困っているにしてもである。例えば、数ヶ月前、バスや電車を満載にして沐浴のためにやって来るヒンズー教徒の群衆の為にガンジス川が可能な限り清浄となることを確保するため、アディティヤナート首席大臣はプラヤグラジより上流の革なめし業に対する取締りを実施した。

   革なめし業ではインドのイスラム教徒及び低カーストヒンズー教徒が圧倒的な存在である。彼らは、一部の保守的なヒンズー教徒が遵守する牛に関する厳格な規則には従わない。しかし、保守的なヒンズー教徒はBJPの支持基盤である。そのため、アディティヤナート首席大臣は、革なめし工場に三ヶ月の操業停止を命じた。これは記憶される限り最長の操業停止である。(試訳2終わり)

 

【英訳について。state sponsorshipは、二つの観点から迷わされます。最初のstateは国家か州か。そして、sponsorshipをどう考えるか。記事の中ではstateは「州」に当たるところにあります。しかし、全体の記事でヒンズー教徒にsponsorshipを与えているのはモディ首相も交えてということですから、「国家からの」としました。当たらずと言え遠からずでしょう。sponsorshipは保護とすると言い過ぎですし、カネなど提供しているわけではないと思われますので、より広めに「便宜」としてみました。②other communities というのもそれなりに難物です。communityというのは和英辞典的に「共同体」と訳すのは恐らくは失敗訳で、こういうのを繰り返すと全体として生硬な訳文になるでしょうこういう訳はしたくもないし、見たくもないです。)。この宗教行事に参加するのは余りにも多数のヒンズー教徒であって、それを一つの「共同体」と見て「他の共同体」云々と言うのはどうも違う気がします。よって、「自分達以外」と、communitiesを敢えて捨てて訳しました。③tanneryは、「革なめし」がピッタリで訳の問題はないのですが、昔の日本同様、皮革業に関係している職業の身分/カーストが低いところは面白いところです。④who do not subscribe to the same strict rules about cows that some conservative Hindus followは、イスラム教徒と低カーストヒンズー教徒のどちらに掛かるか分かりませんでしたので、逃げを打ちました。

 

記事の後半は、Kumbh Melaの歴史的背景や現場の状況を詳述しているだけなので省略します。最初に述べたように、インドは未だに「政教不分離」なのでインド国民会議派支配の政府でも機会さえあれば同様の便宜を図ると言います。それだけ見れば「五十歩百歩」とも言えそうですが、やはり規模が段違いに大きなことから相当な無駄が生じており、記者が取材したウッタル・プラディーシュ州関係者の中でも無駄さを内々指摘する者もいるようです。

 

記事が指摘する経済不振や失業率統計の「隠蔽」が本年4月または5月に実施される総選挙にどのように影響するかは分かりません。しかし、一般論として、どのような国においても「否定的なニュースの毒性は強く、また、その半減期は長いと考えるべきでしょう。係るニュースを打ち消すには「肯定的な情報を大量かつ持続的に流していくことが必要でしょう。民主主義において一般の有権者が抽象的な数字や言動ではなく具体的な便宜を重視することを考えると、今回の記事で取り上げられたようなモディ首相等の事実上の「選挙運動」にも一定の効果があるかもしれませんね

 

今後とも、インドはフォローします。お立ち寄り頂きありがとうございました

 

【ブログ運営報告】(22)初心者のブログでの日間PV新記録達成!

  こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。ブログ運営報告します!三連投は恥💦ですが、中身ある記事は仕込み中ですので。

 

    2月14日、日間PV最高記録を更新しました。92PVでした!本当に!本当に!ありがとうございます

 

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    この程度で大袈裟ですかね?しかしまあ、「スモールゴール」はどうしても必要なので、ご容赦願います。

 

    やはりクロネ師匠などが言われる通り、最初は無料ハテナでの活動が良いようです。これが最初からWPだと、最初の三ヵ月くらいは殆どPVが無いようですからねw

 

    しばらくはSNSにも進出せず、ハテナ無料ブログで鍛える中で、更なる日間PV記録更新を目指しますので、今後ともご愛顧の程よろしくお願いします🤲

 

   お立ち寄り頂きありがとうございました😊

 

  

   

 

    

 

 

【ブログ運営報告】(21)初心者ですが、累積PV1000達成!

   こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。ブログ運営も頑張りますよー

 

   さあて報告申し上げますが、2019年2月15日午前9時までに累積1000PVを更新しました!わざわざご訪問頂いた全ての皆様に感謝いたします!

 

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   今後は、200PV毎の報告にしたいと思います。

 

   とりあえずです!お立ち寄り頂きありがとうございました!

 

    

 

   

【ブログ運営報告】(20)初心者ですが、90記事アップできました!

   こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。ブログ運営報告します

 

   ブログ運営報告でアップ数を稼いでいるだけで雑魚確定なわけですがw、とりあえず、クロネ師匠ありがとうございます

 

   90記事アップと言っても、実体は70か60記事アップということですかねー。遠い将来に、「図書館ブログ」にでもなればなぁと思いますね。その為には、クロネ師匠が仰っていた「資産記事作りに勤しまねばと思います。色々なテクニックはあると思いますが、重要なのは「絶え間ない改善」ですね。

 

   とりとめないのですが、取りあえずはこんな感じで!

 

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   お立ち寄り頂きありがとうございました!

   

 

   

   

【日本酒の世界に酔いしれる】(27杯目)四谷三丁目のまろやかな酒

    こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。

 

   2月12日、東京・四谷三丁目の「さけの実」という店に参りました。店の情報をどうアップすれば分かりません。以下を読んでご興味が湧いた方は個別に検索して下さい。店名は「酒飲み」に通じます。

 

  この店は、四谷三丁目駅と四谷駅の中間あたりの新宿通りから一つ横道に入ったところにありまして目立ちませんが、スマホを見ながらであれば簡単に辿りつけます。カウンター10席足らずテーブル席も同様で、小さいながらも清潔で気分が良い店です。

 

   来店は今回で二回目ですが、ご主人は某国で大使公邸料理人を務めており、腕は折り紙付きであるというのが紹介して下さった方のご説明です。まずはビールで乾杯しまして、このようなお通しを頂きました。

 

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  中々上品です。

 

  さて、日本酒に移ります。今回は最終的に5種類の酒を頂いたのです(やや飲み過ぎか)が、全て料理に何が合うかを店主に確かめながら呑むことができました。全てまろやかな酒でした。「日本酒原価酒造」のようにチェーン展開している店で極めて多種の酒が揃っているのも酒飲みには嬉しいものですが、このさけの実のようにオーナーシェフがご自分で選んだと思われる酒を頂くのも良いものです。

 

   さて、一杯目は新潟の「鬼やんま」という酒です。やや色付きがあります。また、マイルドな舌触りであり、口の中で転がしても舌を刺す感じはしない純米酒です。瓶ラベルの印象とは違います。

 

 

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   茶碗蒸しを頂きます。中にウニの入ったやや贅沢な作りです。

 

 

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   そこにお刺身も集合です。賑やか。そして、焼売。

 

 

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   二杯目は、「北の勝」。北海道は根室の酒蔵の絞りたてです。根室に酒蔵があるとは知りませんでした。どういう経緯で仕入れたのでしょうか。これも中々にまろやかです。

 

 

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   恐らく、料理の邪魔をしない酒を仕入れているのでしょう。次回、一人で来たら尋ねてみたいですね。んで、ラム肉でちょっと様子が変わります。

 

 

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   三杯目に久留米の「独楽蔵」。これも初めての酒です。北へ南へと忙しいです。

 

 

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   やや色付きがあります。鼻に抜けていく香りが素晴らしいです。

 

 

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   この一品の名前は忘れました💦

 

 

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   四杯目に愛媛の「石槌」。これで四国にも来ました。かなり米を削った食中純米酒です。

 

 

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   色付き強く、味も濃いですね。香りも立った「強い酒」。正に、槌で叩かれたような感じがします。食事に負けない、食事と協奏する酒だという気がします。今回のベストです!

 

 

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   鱚の天ぷらに続きます。

 

 

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  さて、最後の酒です。ちと、意地汚いです💦三重「瀧水流」(はやせ)無濾過生酒で、「瀧自慢」。本州に戻りました( ^ω^ )

 

 

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    やや色付きの端正な辛口でした。「酒、人を呑む」とはならないで、ここでおしまい。ヤリ烏賊でツマミは締めでした。

 

 

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    最後は、余計だったかなあ。

 

    今度はまた、一人で来ます。ご馳走さまでした!

 

 

   

 

 

 

 

【ブログ運営報告】(19)初心者ですが、累積PV900達成!

   こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。

 

    ブログ運営報告をいたします!

 

    2019年2月14日午前7時までに累積PVが900を突破いたしました。拙ブログを訪れて下さった全ての皆様、ありがとうございます!累積PV1000を超えたら報告頻度を下げます(一方で、別の報告項目が出てくると思いますがw)。

 

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   有難い読者は6名様。今後とも大事にしていきますから、御愛顧のほどお願いいたします!

 

   クロネ師匠の教えを100パーセント実行していたらもっと上に行っていたかもしれないですが、まあゆるゆるとやっていきます。今はまだまだ「ブログ筋」を鍛えているだけです。

 

   本数稼ぎにお立ち寄り頂きありがとうございました😊

 

   

 

   

 

   

【絶品昼飯食堂】(一膳目の2)東京・四谷荒木町「鈴新」

    こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。旨いメシも喰います

 

    「鈴新」さんは、荒木町車力門通りの奥にあります。近くには、お坊さんが経営している「坊主バー」というのがあったりします。

 

     それはともかく、この店ですが、メシ以外の特徴として、ご主人が荒木町のプロモーターを自任されていることです。

 

   ですから、店に行きますと、こういうものや

 

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   こういうものがあります。

 

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  店には、「日本スリバチ学会」の本があったりします。荒木町は、「一級スリバチ」と認定されたとか。

 

    もし、この店に行かれる機会があれば、この辺も注目してみて下さい!

 

 

 

    

【たった一人のビブリオバトル】「11の国のアメリカ史」(その2)

   こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。

 

    「11の国のアメリカ史」を一応通読し、序章に戻りました。一言、


                    疲れました


   これが重要な本だと思わなければ投げ捨てる程、翻訳の生硬さに苦労しました。勿論、共訳者のご苦労には同情しますが、もう少しやりようがあったのではないでしょうか。今後、改めて原書を取り寄せて個々の部分の翻訳の是非は検討したいのですが、それはそれとしてまずは「序章」の内容を紹介していきます。


   11の国のアメリカ史――分断と相克の400年(上)

11の国のアメリカ史――分断と相克の400年(上)


   続きます。

   

【日本酒の世界に酔いしれる】(26杯目)新宿・荒木町の夜(その2)★長野尽くし

   こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。


    二軒目は、「佳蕎庵  くぼた」という店です。この店は「長野尽くし」の店です。


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   一軒目では一杯目が長野の「明鏡止水」だったのですが、ここでは探すのが難しい程の長野の酒があります。長野出身の人と一緒に来てみたいですね笑


最初はこの酒です。「 善哉 本醸造  しぼりたて  生原酒」。


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やや色付きあり、強めの香りがいきなり鼻を付きます。


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純米酒だけが酒ではありません。善哉酒造は、長野では相当メジャーのようですね。


    前の店でそれなりに呑んでいましたし再訪するつもりになったので、余り盃は重ねず、オーナー?の女性と色々話をしました。


   この店は5年くらいだそうです。ご出身は佐久だということです。折々、長野に出掛けて蔵元で直接買い入れることもあるようです。彼女によると、長野は標高の高いので外から水が流れ込むことから水が綺麗で、それが旨い酒が出来る秘訣だそうです。


    結果、長野には新潟に次ぐ数の蔵元があるということです。確か、80軒とか。蔵元の中では、敷地内に湧き水を持っているところもあるとのことです。見てみたいものですね!


   お酒を頂きつつ、突き出しのおでんと味噌を焼いたもの(名前を失念しました)を頂きます。


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   んで、二杯目がこれ。「花紋大雪渓」。


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    20度という強い酒です。


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    最初は香りなく酸味が強いのですが、時間が経つにつれ香りが出て来ます。


   三杯目は、季節の酒。


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   また来ます。凄い種類の酒ですからね!ご馳走さまでした!


   




【時事英語に学ぶ】(その22)トランプ政権の経済政策通信簿

  こんにちは(こんばんわ)。アップアンドダウンです。美味しいお酒を呑み、良い映画を観て、素晴らしい本が読めれば幸せです。

Strong economy, but failing policies

(NYT International edition 20190209-10 P8 [Economic View] by Justin Wolfers)


   筆者は、ミシガン大経済学・公共政策学教授。大学教授という職業柄学生の成績をつけることが習い性となっていることもあり、トランプ大統領の「経済政策通信簿」を付けることを思いついてとのことです。その手法としては、50名の著名エコノミストに対するシカゴ大の調査を利用して、貿易政策、財政政策及び金融政策という三科目について党派主義に陥らずに評価したということです。


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  タイトル試訳は、「強い経済にも拘わらず、政策は失敗」という感じです。


  ★全文掲載はいたしません。また、記事リンク張りもいたしません。ご興味があれば、NYTサイトにどうぞ。


  他の国の政治はともかく、米国大統領への米国民の支持に影響するのは圧倒的に「経済」であると言われます。米国経済の巨大さとその経済をコントロールするツールの貧弱さに鑑みれば、経済情勢の悪化によって大統領が支持を失っていくのは何か不合理な感じが以前からしていました。反対に、経済情勢が良ければ(実のところそれが前政権の政策からの効果によるものであっても)現在の大統領の支持率が上がるという構造になっています。よって、経済の好調が現政権の功績であることを如何に強調するか、逆に言えば、反対党の政策が好調な経済をどのように阻害するかについて有権者をきちんと納得させるかが大統領再選のカギになります


 この点、現在の米国経済は堅調であり、先日の「一般教書演説」ではトランプ大統領が強調するところでした。よって、今日大統領選挙が行われれば同大統領が再選される可能性は極めて高いでしょう。しかし、議院内閣制ならぬ米国では大統領選挙は2020年まで待たねばなりません。それまで好調な経済が続くか、そして、トランプ政権の経済政策はそれを可能とするものなのかどうか


  結論を先に書いてしまうと、ウォルファーズ教授の採点は「貿易政策」は「F」(落第点)、「財政政策」は「Dマイナス」(ほぼ落第)、「金融政策」は「C」(可)です。米国経済の出来栄えが「Aマイナス」(優)であることを考えれば、余りに乖離が大きいです。同教授はこの謎を解明しようとします。

  

   TRADE POLICY: F

    ・・・ None of the economists taking part in the surveys agreed with the claim that these tariffs would improve Americans’ welfare,” and all of them said global supply chains has made these tariffs more costly than they would have been in the past.

    The United States started a trade war with China, and China quickly retaliated, raising tariffs in American-made goods. Mr. Trump also created needless uncertainty with his threat to rip up the North American Free Trade Agreement ・・・ 

(試訳1)貿易政策:評価「F」

   ・・・ (シカゴ大の)調査に参加したエコノミストの中で、(トランプ政権の)関税が「米国人の福祉を改善する」という主張に賛同する者は誰もいなかった。また、全てのエコノミストが世界的なサプライチェーンによって、以前と比べて係る完全のもたらすコストは高いものになっていると述べている。

  米国は中国との間で貿易戦争を始めたが、中国は素早く米国産品への関税を引き上げることで報復した。また、トランプ大統領はNAFTAを解消すると脅すことによって、不必要な不確実性を作り出した・・・(試訳1終わり)


トランプ大統領ツイッターで自分のことを「関税男」と言うと株式市場が下落したり、様々な貿易政策を打った結果同大統領が目標とする財政赤字削減ができていないことから貿易政策は落第点」ということになるようです。現在、中国との貿易次官級協議が継続中ということですが、何らかの形で妥結された場合、80年代の貿易観を有する「関税男」の矛先はどこに向かうのでしょうか・・・


Fiscal Policy: D-

…… On this score, Mr. Trump’s fiscal policy is a colossal failure. His signature achievement is a $1.5 trillion tax cut that provided stimulus when, arguably, it was least needed. As a result, the budget deficit is atypically high for a healthy economy, and rising government debt will make it hard for fiscal policy to provide a boost when the next downturn hits. 

 …… In a survey before the bill was passed, all but one expert said the tax cut wouldn’t lead gross domestic product “to be substantially higher a decade from now.” Darrell Duffiee, the lone dissenter, said it would improve growth, but he added that “whether the overall tax plan is distributionally fair is another matter.” 

 

The problem, according to Daron Acemoglu, a prominent macroeconomist, is that while “simplification of the tax code could be beneficial,” that effect would most likely be “more than offset by its highly regressive nature.” …….


(試訳2)……この点(引用者注:好況時には政府支出を控え、不況時に増やすという財政政策の原則)について、トランプ大統領の財政政策は特大の失敗である。トランプ大統領自慢の成果は1.5兆ドルの減税だが、正に、最も必要でないタイミングで経済に刺激を与えたものだ。結果として、財政赤字は健康な経済には似つかわない大きなものになった。そして、政府負債が増えているため、次に経済が失速した際に財政政策を発動して経済に刺激を与えるのが困難になる。

  ……減税法案が可決された前の調査では、一人を除く全ての専門家が減税はGDPを「今後の10年間で実質的に増加する」ことに資するものではないと述べている。唯一の少数派であるダレン・ダフィーは、減税が経済成長が減税によって促進されると述べたが、「全般的な税制計画が所得分配上で公正であるかは別問題である」と付言している。

著名なマクロ経済学者であるダロン・アチェモグルによれば、問題は、「課税区分の簡素化は有益な可能性がある」ものの、その効果は恐らく「減税の高度に逆進的な性質によって打ち消される以上になる」ことである。 ……. (試訳2終わり) 


【英訳について。arguablyは、「議論の余地がある」という意味にも思えますが、「ある見方が正しい」ということなので、「正に」と訳出してみました。たぶん、米国でまともに大学を出ていれば意味を間違うことがないことばだと思いますが、ノンネイティブの学習者だとやはり盲点が多いですね。


財政政策についても散々な評価です。富裕層がかなり優遇される1.5兆ドル現在は共和党が大統領及び上下両院を制していた昨年だったから可能であった政策で、現在は不可能でしょう。むしろ、ここ数ヶ月の間で、「富裕層への増税」を主張する民主党の論客が増えており、世論の一定の支持を得ています。その代表格がウォーレン上院議員マサチューセッツ州。民主)、サンダース上院議員メイン州。無所属)、オカシオ・コルテス下院議員(ニューヨーク州)です。ちなみに、これら議員はトランプ大統領の「社会主義」攻撃の標的になっています。なお、ウォーレン上院議員は大統領選挙への出馬を正式表明済であり、サンダース上院議員も出馬を検討中の由です。


MONETARY POLICY:C

……. In a recent survey, 43 percent of economists gave Mr. Powell’s leadership an A, and 51 percent gave him a B (with the remaining 6 percent giving him a C). Mr. Trump’s other FED appointments have been mainstream, yielding a cast of policymakers that Jeb Bush might have appointed had he been elected president. 

……. Most industrialized countries, including the United States, have generally insulated monetary policy from political pressure, believing that such independence helps policymakers deliver low and stable inflation. Yet Mr. Trump has repeatedly criticized Mr. Powell for not setting interest rates lower, and has reportedly raised the possibility of firing him. The president is playing a self-defeating game, because he is making it harder for Mr. Powell to deliver low rates without appearing to have been bullied by Mr. Trump.


(試訳3)金融政策:評価「C

……. 最近の調査では、43パーセントのエコノミストが(ジェローム・)パウエル連邦準備委員会FRB議長の指導力A」評価を与え、51%が「B」評価を与えている(残る6%が「C」評価)。トランプ大統領が任命したその他のFRBも主流派であり、仮にジェブ・ブッシュフロリダ州知事大統領になったとしても任命していただろう金融政策決定者が配されることになった。

……. 米国を含む殆どの先進国では一般的に、金融政策を政治的な圧力から隔離してきた。これは、そのような独立性によって、金融政策決定者が低めで安定的な物価上昇をもたらすことが助けられるとの信念によるものである。しかし、トランプ大統領金利を低めに保たないことについて繰り返しパウエル議長を批判した。また、伝えられるところでは、同議長を罷免する可能性を示唆した。ここでトランプ大統領は、自滅的なゲームを戦っている。なぜなら、同大統領は、パウエル議長が金利引き下げをする際、大統領に責められたからのように見えないようにすることを困難にしているからである。(試訳3終わり)


  いきなりジェブ・ブッシュフロリダ州知事が出てきますが、この人は第41代大統領の息子で第43代大統領の弟で、米国のエスタブリッシュメントの一員。フロリダ州知事としての施政能力にも一定の評価がありますから、彼が大統領になったら主流派の経済専門家をFRBに置いたのでしょう。上記の最後の文章はわかりにくいんですが、あまり大統領が口を出すと、FRBの判断が純粋に経済事情を見てのものかについて疑念が寄せられるということでしょう。実際、先日利上げを保留した際にはトランプ大統領の主張を忖度したもののようにも見えました。金融政策の要諦は、中央銀行に然るべき人材を配してプロフェッショナルな仕事をさせればいいということからみれば、トランプ大統領の金融政策は辛うじて「及第点」ということなのでしょう。


  ウォルファーズ教授の最大の疑問は、「経済政策がこれほどに悪いのに、経済の実態がこれほどまでに良いのはなぜか」ということです。トランプ大統領が2010年以降の好調な経済を引き継いだという「幸運」はあります(そして、それが偶然であるにせよ、好調な経済は現職大統領への支持上昇につながります。)。


    また、同教授の懸念は、「単に、トランプ政権の経済政策の悪影響がまだ表に出ていないだけではないか」ということです。共和・民主両党のオーソドックスな経済政策をすべて否定するトランプ大統領多数の正統派エコノミストの判断のどちらが正しいかと言えば、筆者は後者の肩を持ちます(当たり前と言えば当たり前ですね。)。


  今後注視すべきは、このような悪影響がどの段階で米国経済に現れるかとことでしょう。そして、その影響が米国政治のみならず、対日関係を含む国際情勢にどのような影響を及ぼしうるかについて、日本の主権者たる国民は目を配るべきなのだと思います


  お立ち寄り頂き、誠にありがとうございました。